貴族の少年は幼い頃、従者で乳兄弟でもある友を目の前で殺害されるという悲劇を経験する。成長した彼は非常に冷酷で厳格な若き当主となり、その非情さから周囲からは恐れられていた。しかし、それは失うことを恐れるあまり親しい者を作らないようにする彼の弱さからくるものだった。
ある日、男爵家の少女が彼の家にメイドとして雇われることになる。彼女はかつて死んだ従者の生まれ変わりであった。やがて彼らは昔の友として親交を深め、今世では性別の違う二人は次第に惹かれ合っていく。少女は青年の生来の優しさを引き出し、彼が周囲から怖がられている現状を打破しようと努める。そして婚約者のいない彼のために、付き合い相手を見繕おうとする。
一方で、青年を陥れようとする政敵たちは、少女を青年の「弱み」として狙い始める。少女を再び失うことを恐れる青年は少女を守ろうとするが、政敵の差し向けた刺客によって誘拐されてしまう。
そんな中、青年が王女から婚約の申し出を受けた後、少女は彼の前から姿を消してしまう。
青年は王女との婚約を断り、少女を見つけ出して結婚を申し出る。彼は今度こそ少女の幸せを守ることを誓い、二人は過去の悲しみを乗り越え、新たな未来を共に歩み始める。