いつも通りの変わらない平凡な学生生活から一転、黒木秋人は校舎ごと空へと吸い上げられ、気付いた時には異世界の地面で横たわっていた。
周りには自分と同じ歳くらいの、現状に困惑した若者達ばかり。混乱しながらも取り敢えず移動を始めた秋人達だが、トロールやワーグといった異世界の魔物に襲われ、多くの者が死んだ。
そんな中、秋人は化け物カラスに捕まり、さらにワイバーンにまで追われ、迷宮の洞窟へと落とされてしまう。そんな絶体絶命のなか、秋人は運良くもチートのアイテムを手に入れ、迷宮の中で力を上げてから1年後に迷宮を出る。
きっともう、一緒に飛ばされて来た元の世界の仲間は死んでいるだろう。
元の世界への帰り方も分からない。
なら―――せっかく異世界に来たんだし、せめて楽しもうという結論になった。
この物語は、チートの能力を持ちながらも、漫画やゲームのように世の中上手くいかないリアルな世界で生きていく少年のお話です。