本編完結済みです。
後日談を随時投稿していきます。
――悪役王女の前世は、実験用ホムンクルスだった。
主治医を母と慕い、乙女ゲームが唯一の慰めだった少女は、過酷な実験の果てに死ぬ。
気がつくと、大好きなママとどうぶつ友達に恵まれた、十歳の幼女に生まれ変わっていた。
幼女の名前はヴィオレッタであり、暮らしているのはママが守る灯台島だ。そしてそこは前世の乙女ゲームの世界なのだった。
しかし幸せを噛み締める間もなく、ヴィオレッタは得体のしれない魔法を発動し気を失う。それは王族固有の魔法【白夜】だった。
強い光を放つその魔法は目立ち、王族狙いの暗殺者、魔術師ルーカスを引き寄せてしまう。家を燃やされママと一緒に洞窟に隠れた彼女は、魔術師に襲撃され火炎魔術で燃え尽きてしまうのだった。
しかしなぜか無傷で復活したヴィオレッタは、王宮に連れ去られたママを追って王都へ向かう。そして自分が人魚とヒトとのハーフであることを知るのだ。
乙女ゲームの悪役王女、血濡れのヴィオレッタ。人間の血を啜り、最後は王国を魔物に引き渡そうとする彼女は何者だったのか。転生主人公は膨大な背景に翻弄されながら自らの心を探り、この世界のためにできることを探すのだった。
これはいつの間にか「人喰い魔女」と呼ばれていた一人の少女の物語――。