二〇一二年のこと。私――筆者――は、六本木のとある企業で働いていました。
当時そこで私の同僚だった、「佐々木伊織」(仮名)というとある若手営業マンが、物語の主人公になります。この伊織くんが、厳しい営業ノルマと上司・Fからの激しいパワハラ、そして顧客からのクレームにさらされながら、いかにそれに立ち向かっていったかを、事実をベースに、虚構をまじえて描いていきたいと思っています。
もちろんフィクションである部分もありますが、今からおよそ十年前、東京で地獄のような働き方をさせられ、しかしそれでも毎日会社で闘った、しがない若者が確かに実在したのだということを、少しでも伝えられれば幸いです。
青春 シリアス 男主人公 現代 職業もの ハッピーエンド
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