十年前、『魔王』と呼ばれる存在が『勇者』に封印され、訪れた平和を人々が謳歌する時代。
『勇者』と共に魔王を封印した魔術士であり、かつては『炎帝』と称えられたアディルは、人里離れた山の中で、双子の少女を育てていた。
二人の少女が学園へ入学するために自分の元を巣立ち、一人となった『炎帝』は呆然としてしまう。
子供たちのことが生活の中心になっていたアディルは、子育てから開放されるとやることなかったのである。
職も無く、資金も底をついたアディルは旅に出ることを決意する。かつての仲間たちから(金銭面で)助けてもらうために。
その道中でアディルは、新たな出会い、そして振り切れない過去の因縁と対峙することになっていく――