これはある男が英雄と呼ばれるまでの物語である。
20XX年、宇宙開発機関"White clover"通称W機関が開発したスペース回路によって人類の科学技術は類稀なる進歩を遂げていた。
そんな世界に一人、繭裂アンリ〈まゆさき あんり〉という男がいた、彼は運の無い男だ、いや、運に見放されているといったほうが正しいか、とにかく彼の不運っぷりたるや、厄病神に寵愛でもされているのでは無いかと疑いたくなるほどだ、それもそのはず、彼がフラリと立ち寄った飲食店は集団食中毒が発生し、たまたま乗ったバスでバスジャックにあい、彼が新しく契約したアパートは入居1秒にして倒壊、本当に笑えるほどついていない。 しかし、彼は少しグレたりもしたけれど、なんとか前向きに生きていた、普通の生き方が出来ていたはずだった、今日会社の最終面接に向かうまでは…。
アンリが目を覚ましたのはどこか見知らぬ森の中の、そこには自分を捕食せんと狙う、獰猛な謎の生物の群れ、あぁ、自分は死ぬのか…。
そう思った矢先、彼は間一髪、窮地を免れた。
だけならよかったら
アンリが目を覚ますとそこには見慣れたアパートが、なんとアンリは日本に帰って来たのだったッ!!!!
無理やりおかしな世界に放り込まれた哀れな男繭裂アンリ、彼が"異世界"と"現実世界"二つの世界を交わらせた時この物語は始まりは始まる……。