相川高校2年生、鋼アキラ。自分は主役で、頑張れば報われるなんて、もう思っていない。彼の日常は、ずっと平凡に過ぎていくものだと思っていた。
彼女の姿。かけられた呪い。体内の呪術。大切な記憶まで、なぜ忘れていたのか?
それでも忘れていた記憶の中で、彼女は美しい姿が輝く。
11年前、まだ幼かったアキラは、悪魔の少女《古の悪魔》いなばチカと出会い、彼女の呪いにかけられていた。そのせいで、チカは11年間、囚われの身になっていた。
アキラはチカの記憶を失くし、平凡な生活をしてる間、チカを巡る陰謀が起きていた。
強烈な魔力と日本刀(叢雨)を持つ魔術同好会の部長、月影ミナト。ミナトの眼鏡に力を封じられている火炎の悪魔・黒峰チコ。
1時間に28回
アキラが使える魔法の回数だ。その代り、他では考えられない魔法を使える。
何よりも重い、その呪い、もう二度と忘れないために、アキラは想像を絶する非日常に足を踏み入れる。