慶鈴高校に通う二年生、桜木幸助は一人暮らしという点を除けば何の特色も無い一般的な高校生。
休まず学校に通い続け、終わればバイトに向かい、それが終われば帰って家事や食事をとって風呂で一日の疲れを取る。そんな社会人顔負けの生活を続けていた幸助だが、ある日、テスト中に教室が発光するという不可解な現象が起こる。
その光は幸助だけじゃなく、クラスや先生までも巻き込んだ後、幸助のいた教室は静寂に包まれていた。
――異世界召喚。ゲームや小説の中の話だと思っていた事が実際に起こってしまった一同は、混乱し、先の見えない不安や恐怖に泣き崩れる者まで。
そんな時、殺伐とした空気を破る者が現れる。
「勇者様、どうか我々の国をお救いください!」
途方に暮れる俺達に残された地球へと帰る手段は魔王の封印。
剣と魔法、勇者と魔王、様々な種族と魔族、そして魔物が蔓延る世界。
幸いなことに勇者はこの世界の人より遥かに高いステータスを持っていること、強力なスキルを所持していることが分かるも、幸助だけステータスは軒並みこの世界の一般人と同格、さらには強力なスキルなども無く、たった二つのスキルのみだった。そんな過酷な世界で幸助は生き抜いて行くお話。