その世界には精霊人と呼ばれる人々がいる。
彼らは人と同じ容姿をしており、生まれつき魔法が使え、千年近い寿命を有していた。
50年前、彼らが住む精霊国シュトームは、人間達の国、オルデンツェ王国に滅ぼされ、精霊人のほとんどが人間に奴隷として隷属させられた。
これにより、精霊人の力で魔術を行使する、魔術師を大量に確保したオルデンツェは50年の間に6国を攻め滅ぼし、国土を広げた。
しかし、隣国エンフェンに侵攻したとき、オルフェ・エンフェン第一王女の火の魔法の前に大敗し、兵士と奴隷にした精霊人の大半を失ってしまう。
これにより、オルデンツェの侵攻は収まり、長らく続いた戦乱は終わった。
そんな中、主人公ユーリはオルフェ第一王女の娘として生まれたが、とある理由から、オルデンツェの貧しい農村で生まれ育つ。
厭世的で残忍で冷酷、だけどもどこか優しい、これはそんな彼女の物語。