ニャルラトテップは退屈していた。無理もない。この生物は長い年月を行き過ぎたのだ。退屈しのぎに様々な知恵を人に与え、それによる破滅を愉しみ、あざ笑い、傍観してきた。だが、それにももう飽きてきてしまった。ああ、次は何をして愉しもうか・・・。そうだ、私がこれまで愉しんできたものを、今度は人間たちに分けてやるのはどうだろうか。きっとおもしろいことになる。奴らなら、私を満足させてくれる。そうに違いない。ならば、私は語ろう。真実を、お前たち人間から出た灰汁が、己が欲を満たすために何をしてきたかを。安心しろ、私が語る話は全てお前たちに関係のない世界で起こったことだから。
今はな。