物心が付いた時には両親がいなかった、小宮山明人。
小さい頃に、そんな絶望の生活から救ったのが、一つ年上の篠原孝助。
彼が小学校で創設した部活動、傘部。ただ困っている人を助ける部。
明人はそんな意味も分からない部活動に、人数合わせのために強制的に加入させられてしまうのだった。
傘部には、孝助の弟である翔平をはじめ、
不器用でなかなか心を開いてくれない、松坂愛理。
馬鹿の上に天然が混ざってしまっている、合田一輝。
賑やかな、そうでないようなメンバーが揃っていた。
そんな彼らと共に、明人は訳も分からないまま、困っている人が助けられていった。
時は高校2年生の夏。
いきなり孝助がある提案を出すのだった――