静見 昇(しずみ のぼる)は、おそらく一般人だ。
もしかすると超能力者かもしれないが、誰もそうである証明をすることはできない。
能力を使用する条件は、
①空に紅い月が昇っていること。
②自分が最も大切に思っている自分以外の人間の生き血を飲むこと。
③血を飲んですぐに、月に堕ちろと願うこと。
この3つの条件を満たせば、月は堕ちてくる……らしい。
もちろん静見が能力を使おうとしたことはない。
だから本当にそんな能力があるのかも分からない。
けれど……いや、だからこそ、静見は紅い月が昔から嫌いだった。
これは、そんな少年の青春時代を描いた物語だ。
月 学校/学園 現代(モダン) 家出少女 喫茶店 双子 超能力
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