30歳、独身、フリーター。
世間的には負け組かもしれないが、俺には秘密がある。
【リアライズ】——空想を現実化する、一日一回限定のチート能力。
ゲームの最強武器も、伝説の防具も、手に入る。
俺の部屋は百本を超える武器で埋め尽くされた、まさに武器庫だった。
副業感覚で始めたダンジョン採取で出会ったのは、
武器デザインを夢見る美大生・佐藤美咲と、
元ゲームクリエイターの山田雄介。
「鈴鳥さんも何か描いてみませんか?」
「誰かに喜んでもらえるような武器を作りたい」
二人の純粋な創作への情熱に触れた時、
俺の心に眠っていた「何かを作りたい」という想いが蘇る。
でも——
『諦めた人間に、もう一度挑戦する資格があるのか』
『千秋が頑張ってるのに、お前が今更創作なんて』
心の奥から響く声が、俺の手を止める。
妹のために諦めた夢。一度は捨てた創作への想い。
それでも俺は、震える手でシャーペンを握った。
既存の武器を「集める」だけだった男が、
ついに自分で「作る」側に回る物語。
これは、30歳からでも遅くない。
夢を諦めることなんてない。
そんな希望を描いた、創作と成長の記録——創作録
シリアス ほのぼの 男主人公 現代 職業もの チート 魔法 冒険 日常 ハッピーエンド 青春 ダンジョン 成長 家族愛 創作
読了時間:約109分(54,149文字)