西暦2千年初頭、世界に魔術が生まれた。いや、その姿を晒したと言うべきか。
紀元前2千年前よりその存在が確認された電気類は長い時を掛け体系付けられ、現在世界には無くてはならない物として浸透をしている。恐らく魔術と呼ばれる物も古代よりその存在を確認された後、長い時間を掛け脈々と理論が生まれ、体系付けられ密やかに世界に浸透をしていたのだろう。
世界にその姿を現した今もその根源の解明者は秘匿されており、世界にはその理論の全てが晒されているわけではないその技術を、世界は受け入れた。
そして色々な論争の果てに日本は魔術師と呼ばれる人間をアドバイザーとして政治的に受け入れると、その有用性を確認せざるをえなかった。何しろ電気やガス等の様なインフラが既に確立した形で技術提供されているのだ。残念ながら電気やガスのように誰もが使える技術ではなかったものの、結果として魔術による特需が生まれ、長年不景気に悩まされてきた国民は降って沸いた好景気に諸手を挙げて賛同した。
次に国民に受け入れられた魔術師たちは国の基幹となる教育にゆっくりと浸透していく。初めは1つの私立の学校に教師として赴任をすると成功を収めた。すると枯れ野原に火が広がるような勢いで全国の私立学校は魔術師を教員として迎え、一気にその地位を確立した。やがて私立に我が子を入学させられない家庭等の声や世論に押されるようにして政府は義務教育課程に魔術師を配置することを決定する。
それから暫くして、今や入学前の魔術師適正診断に一喜一憂する家族の絵は春の風物詩として定着した。
※カクヨム様でも公開させて頂きました。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2018年11月11日
異能力バトル 現代 魔術と科学 ネット小説大賞七感想
読了時間:約61分(30,157文字)