社交界きっての美男子ラザフォード伯爵は新しい妻を探しているらしい。
伯爵の義妹の家で家庭教師をしているエミリアは、メイド達の噂話を遠巻きに聞いていた。初めて伯爵に会った時、冷たいグレーの瞳で見下ろされたことを鮮明に覚えているエミリアは、氷のように冷たい伯爵様の一体どこがいいのかと不思議に思っていた。
名のある貴族の令嬢を呼んだ婚約者を決めるパーティーで、最後にラザフォード伯はある女性の手に口づけてこう言った。
「エミリア・アンダーソン嬢。どうか私の妻になってください」
19世紀イギリスが舞台のヒストリカルロマンを目指して書いていきたいと思います。
シリアス ハッピーエンド 身分差 ヒストリカル ロマンス 19世紀英国 貴族 切ない
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