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短編
牧野秀一は、生きる意味を失って自殺を企図し、冬の森へ入るが、それを上回る生命力で、小屋に辿り着く。そこには隠遁生活者の死骸があり『アタラキシア』(心の平和)という言葉。原生林での彼の暗中模索の日々が始まる。そして彼の半生の回想。彼は、中学生の時母と妹を事故で亡くし、傍観者となって日々を過ごす。そのうえ父まで死んでしまう。高校卒業後街へでた彼は、仕事がうまくいかず、陽子との愛も裏切りによって破たんし、旅へでる。バイト先の重病者の療養所で、彼は、小田ナースや果穂、そして前島との争いの中で、生きる意味を求めるが、殺人という破局で挫折する。そして生きる意味を失い、そこを去り冬の森へとーーー。彼は再生するために言葉を求めた。そして原生林の奥にある山へ登り、その夜大いなる宇宙を感じる。イメージイズムの処女作。
作品情報
純文学[文芸]
最終更新日:2016年05月27日
青春 シリアス 男主人公 和風 現代 読了時間:約127分(63,302文字)