ここに、一匹の吸血鬼がいる。 彼女の名前は、アドアストラ。 人を中心に回される世界で、幸か不幸か生き残ってしまった、最後の純血種である。 魔女、人狼、吸血鬼。 人ならざる者が排斥される世界で、それでも人の世でしか生きられないアドアストラは、自らの終わりを目指して密やかな暮らしを続けていた。 そんなアドアストラの元に、人魚のユタが現れる。 アドアストラと同じく排斥の対象であるユタは、アドアストラと同じく最後の純血種でもあった。 アドアストラとユタ。 滅びを前にした者同士、２匹だけの語らいが、静かな湖に響き渡る。 ※※※短編５作目です。 「極彩色クラブ」にも纏めてあります。 ファンタジー色、オリジナル色、ともに強めとなっています。 史実と異なる点もあるかと思いますが、実在しない地域や風習、作中に於ける吸血鬼と人魚として、温かい目でお読み頂けると幸いです。

門戸六花には自慢の彼氏がいる。 優しくて、格好良くて、そこらの男とは一味違う特別な人。 そんな彼と何度とないデートの折、待ち合わせ場所に現れたのは、美しい女性だった。 女性の正体は女装をした彼で、困惑する六花に彼は言った。 自分は、女になりたいのだと。 ※※※短編４作目です。 「極彩色クラブ」にも纏めてあります。 直接的な性描写はありませんが、それに近しいシーンは出てきますので、苦手な方はご注意ください。 ※百合と定義してよいものか自分でも悩みましたが、自分の中では百合として書いたお話なので、百合に関連するタグを付けさせて頂きます。 問題があるようでしたら訂正しますので、ご指摘のほどお願いします。

ユウとすずは小学校からの幼馴染み。恥ずかしいところも醜いところも晒し合って、互いの成長を見守ってきた。 やがて高校生になった二人は初恋を経験するが、好きになった相手がまさかの同一人物だった。 先に身を引いたユウは、すずの恋を応援するうち、知らず知らずと自らが心変わりしていたことに気付かされる。 ※※※短編３作目です。 「極彩色クラブ」にも纏めてあります。 直接的な性描写はありませんが、それに関わるシーンは出てきますので、苦手な方はご注意ください。 カクヨム、エブリスタにも掲載しています。

長続きしない恋ばかりに辟易中のレズビアン、音々。 三度目の失恋を機に地元のビアンバーへ癒しを求めた音々は、オーナー兼バーテンダーとして働く志帆に一目惚れをしてしまう。 早速アプローチを開始する音々だが、志帆には"本命の恋人を作らない"という、偏狭的な主義があった。 ※※※短編２作目です。 「極彩色クラブ」の方にも纏めてあります。 直接的な性描写はありませんが、事後の描写は出てきますので、苦手な方はご注意ください。 カクヨム、エブリスタにも掲載しています。 ※追記 コロナ禍の全盛だった時期に執筆したものです。 当時点での未来予想や願望を含むシーンも出てきますので、事実とは異なる点もあるかと思いますが、ご容赦ください。

【蒼い糸】 └デリヘル嬢として働く女と、その客となった女の話。 (百合度★★☆☆☆) 【合わせ鏡】 └同じ男性を好きになってしまった幼馴染み二人の話。 (百合度★★★★☆) 【マッドジンクス】 └ボイタチvsボイタチで腹を探り合う話。 (百合度★★★★★) 【おもしれーオンナ】 └彼氏が女になった女の話。 (百合度★☆☆☆☆) 【愛煙家】 └片思いを貫いたおばさんの話。 (百合度★☆☆☆☆) 【慣れてるから】 └少女三人が大人になって最悪な再会をする話。 (百合度★☆☆☆☆) 【星を目ざすもの、海より来たるもの】 └世界最後の吸血鬼と人魚が出会う話。 (百合度★★★☆☆) 不定期更新中です。 ※※※百合短編集。 ほんのり百合だったりガチGLだったり、タイトルごとに濃度(程度)が違います。５段階別で分けておきましたので、目安にして頂けたらと思います。 詳しいあらすじは、それぞれの第一話の前書きに置いてあります。 直接的な性描写はありませんが、際どいシーンが出てくる場合がありますので、苦手な方はご注意ください。 女性蔑視または男性蔑視を思わせる描写が出てくる場合もありますので、そちらも苦手な方はご注意ください。

クリスマスイブの夜。 借金返済のためデリヘル嬢として働く晴子は、とある人物から新規の指名を受ける。 その人物とは、客は客でも、晴子と同じ女だった。 想定外の事態に戸惑う晴子。 女は晴子に迫ることなく、遠慮がちにこう言った。 ３時間５万円分の自由時間。 仮初めの友人として、一緒に遊んでくれないかと。 ※※※短編１作目です。 「極彩色クラブ」の方で纏めてあった短編を単発でも投稿することにしました。 直接的な性描写はありませんが、性風俗に関する描写は出てきますので、苦手な方はご注意ください。 カクヨム、エブリスタにも掲載しています。

"大きな節目となるタイミングに、 なんらかの方法で宙に浮いていた者は、 その間だけ地球上に存在しなかったことになる。" 「───０時ジャストにジャンプして、その瞬間オレらだけ地球上にいなかったことにしようぜ。」 西暦２０１９年、４月３０日。 主に年末年始に散見されるトンデモ理論。 平成から令和に跨ぐ改元の瞬間にも、件の理論を応用できないか。 ここに、前代未聞かつ尋常一様な試みに挑もうとする、三人の男がいた。 「３、２、１───」 ニーナ、テル、トメ。 仲良しお馬鹿トリオ、縮めて三馬鹿。 大学生のノリで浮かれた彼らは、日付変更のカウントダウンに合わせて跳んだ。 「どこだぁ、ここ」 こうして三馬鹿は、令和に置き去りにされた。 取り残されたのは、誰もいない、永遠の平成の世界だった。 ※連載作品５作目。 土曜日１０時 不定期更新。

不慮の事故により、一時は生死が危ぶまれる状態にあった二見賢二。 治療の末に取り戻した日常だったが、かつてのような日常はそこになかった。 俗に生霊と呼ばれる存在が、見慣れた景色を闊歩する。 事故をきっかけとして、賢二は微妙な霊感体質に目覚めてしまったのだ。 なぜ生霊達は自分にしか見えないのか。 なぜ生霊達は自分の周りに集まるのか。 困惑しきりの賢二の元へ、また一人と新たな生霊が現れる。 生身の人間と寸分違わない、十代半ばほどの姿をした少女。 少女は自らが生霊である自覚を持ちながら、自らが生霊となった経緯を全く覚えていなかった。 ※※※連載作品４作目。 ホラー要素は薄めですが、オカルト色は強いので、苦手な方はご注意ください。 史実を参考にした、オリジナルの設定や固有名詞が出てくる場合があります。 現在改稿中です。

フィグリムニクス。またの名を、シグリム。 90年代初頭に生まれた新国にして、指折りの資産家十余名が統治する連邦国。 いつしかシグリムは現代の理想郷とも謳われ、シグリムに暮らす人々は恒久的な安寧を約束された。 そんなシグリムで生まれ育った青年ミリィと、ミリィの生き別れの兄を自称するアンリ。 出会うべくして出会った二人は、共のルーツを求めて結託する。 「どうしてオレを生んだんですか、父さん」 父の秘密、母の過去。 謎に包まれた建国秘話、神隠しと呼ばれる都市伝説。 すべてのルーツを明らかにした時、最も知りたくて知りたくなかった答えに、兄弟は辿り着く。 ※※※連載作品２作目。 作中にショッキングな表現、残酷な描写が含まれますので、苦手な方はご注意ください。 現在一時休止中です。

叶崎豊は中学校で教鞭を執る体育教師。 子供たちとの触れ合いを糧としながら、漣のように穏やかな毎日を過ごしていた。 故あって母校への転勤が決まった豊は、受け持ちのクラスで相良楓という少年に出会う。 誰もが一目置く優等生の楓は、実は父親からの虐待に苦しんでいた。 豊は楓を救うべく奔走を始め、やがて自らの過去やトラウマとも向き合っていく。 ※※※連載作品３作目。 正確にはBLではないですが、作中にそれに近い描写や表現が出てきますので、苦手な方はご注意ください。 虐待などの暴力表現が苦手な方もご注意ください。 ※エブリスタ、カクヨムにも掲載しています。 ※現在改稿中です。