私は小暮川一世。
藤岬学園大学部二回生である。
黒ぶち眼鏡に細い体でよく名前をペンネームに間違われるが、最近はさらにその容姿と若干特徴的な喋り方から、『むっつりスケベ』と第一印象で思われるのが悩みである。心外だ。
この物語は、大学二回生でありサークル等の社交的な活動に一切参加していない超暇人の人生浪費人間な私と、私の生活する六畳一間家賃月々三千円の格安のオンボロアパート、三十木寮の奇々怪々な魑魅魍魎のごときおぞましき住人たちとの、こころ底冷えるいったいこれのどこに面白さを見いだせと言うのかと文句を言いたくなる(誰にだ)ハートフルと言うよりもむしろハートクォーターに近い、画竜点睛を欠くというより画竜点睛オンリーな、人生の大切な部分を根こそぎ落としたらこうなるんじゃないかというような、バラ色ならぬくすんだ灰色のキャンパスライフを享受する一介の大学二回生と、三十木寮の魑魅魍魎か宇宙人か例えに迷う奇人変人の住人達の、心生温かくなるような交流を描いたそんな物語(?)否、駄文である。