都合、6度目となる魔王軍の解散。理由は、『勇者が現れたから』。
その魔王は最悪にして最弱の魔王。5人の勇者を寿命で倒したと豪語する彼は、魔王城を後にして逃避行に出発する。勇者と戦えば負けるけど、そもそも生物としての寿命が違う――ならば出会わなければよい。情報操作で勇者から逃げ切れ!ふはは、俺は魔王城に居ると言ったな!あれは嘘だ!今手薄になった首都に攻め込もうとしているぞ!嘘だけどな!!!!
これは勇者から逃げ切ろうとする魔王と、魔王を追い続ける勇者の間に生まれた、奇妙な絆の物語。
「馬鹿め、これは陽動だ(本命)!私は影武者なのだよ(本物)!」「また騙されたーッ!!」