福坂リッカです。少し前から多少奇妙な二重生活を送ってます。朝目覚めてすぐの洗面台の上に置かれた逆さのコップの側面に偽装した隠し扉が開くと片手ほどの大きさの豆ダヌキが慌ただしく現れて歯を磨いていた私にいつものように声をかけてきました
「やあリッカおはよう」
「おはよう。それどうしたの」
「それ?」
「あなたが出てきたコップ」
「あぁ、ゴミ捨て場のやつを利用して私の宿所に使ってるんだ」
なるほど、そのサイズのなら道端であふれかえってるし材料が尽きるようなことはなさそうね。
昼は一人の一女子高生として暮らしています。
太陽が西に傾き始めたころ、学校から解き放たれた私はもう一つの顔を出すのです。