夢見島。
そこは夜しかない。
…不思議なことに、それでも寝る時間というものは自然的に決まっているらしい。
その島の中に、一人の青年が居た。
青年は違う世界に居た。
その島は、人間の住まう世界じゃない。
魔界…もしくは闇の中の空間か………
そんな島だった。
青年は島に行く前、孤独だった。
親にも愛されず、友人もできず。
ただ、孤独だった。
それに、都合の良いことに夢見島に辿り着いた。
……この島に来てから、愛された。
光を嫌った彼には、愛と、闇と、そして永遠を。
彼は、気づく。
…ここにいるのは、人間ではない。
そう。
ここに居るのは人間ではなかった。
悪魔も普通に混じっている。
そんな悪魔も、彼を愛していた。
この世界に存在するもの全てが、彼を愛し、孤独を塗り消すのだ。
………そしてわかった。
――この島には、居てはいけない。
そう感じた彼は、誰にも気づかれぬように、この島を抜け出すことを、決意した。
それはつまり、この島を……
この世界全てを敵に回す事だった。
作品情報
アクション[文芸]
R15残酷な描写ありボーイズラブ
最終更新日:2016年06月17日
異類婚姻譚 悲恋 スプラッタ サイコホラー 異能力バトル ハーレム
読了時間:約3分(1,376文字)