龍宮響希は、自分に自信が持てない少年だ。
女にしか見えない容姿。成長が遅れている身体。そして幽霊が見れる瞳。嘘吐き呼ばわりされて来た子供が、誰かに誇れるのは唯一つ――その歌声だけだった。
そんな彼に、たった一人の友人は唐突に語る。「バンドをしよう」その提案に引き摺られ、流されて行く中に響希の日常はその色を変える。
万能超人な親友、結城恭介。天然ゆるふわ幽霊、西行寺玲菜。孤児院出の不良少年、武梨綾斗。虐めっ子なお嬢様、白鳥明日香。多くの人との関わりの中に、龍宮響希は小さな一歩を踏み出していく事となるのであった。
※当作は拙作『Dragon Travel Story』の外伝です。ですが主人公が同じなだけのIFストーリーなので、本編を読まなくても楽しめる作品を目指します。