その島は2300年以上昔から光の柱を天に向けている。
島の中心部にある「大穴」からは
朝も昼も、10年前も100年前からもそれよりずっと前からも。
強大で凄まじい勢いで光を放ち続けている。
魔法が学問「魔学」として解明解析され、その知識と実践方法が勉学になって誰もが習得出来るようになって50年。魔学を利用した犯罪も日に日に増加傾向にある。通常の事件や犯罪では無い魔法、つまりこの世界の「魔学」に対抗する為にリッターフラン対魔学研究所は魔学を用いた犯罪の真相解明と対策考案を前提として設立された。
16歳にして大学を飛び級してリッターフラン研究所の捜査研究員となった少女ロンロ・フロンコは調査依頼を受けてかつて行われていた忌まわしき因習とも言えるべき宗教的儀式が再び繰り返されようとしていると言われるある島に降り立つ。
ロンロが足を運び入れた2300年以上の伝承が残るア・メサア島。
独自の歴史と価値観が残るこの島にはかつて大空から竜が堕ちて来たのだという。
人と争い、人を戒めた金色の竜が。
少女研究員は、島の因習の秘密と金色竜の伝承の秘密に切り込んでいく。