伊織が二十八の年、人生を捧げると思っていた会社が倒産した。
同級生が昇給した、今度結婚する等周囲から聞こえてくるめでたい話に焦り、再就職したのはトラウマ商事と揶揄される虎馬商事だった。
詐欺紛いの職務に、サービス残業は当たり前。毎日を馬車馬の如く働く伊織は肉体的にも精神的にも疲れ切っていた。
そんなある日、電車に乗って帰宅途中の伊織は窓を覗き込むそれを目撃したことから人生が動き出す。
占い師の恭子や友人の高峰の言葉で、何が大切で自分は何をしたいのかを伊織は見つめ直していく。
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