現代に生きる葛城阿真菜は前世を持つ少女だった。
その記憶が少しずつ蘇る度に、魔力や精気といった力を扱う技術や、見たこともない景色を実感として経験できる。
だが、阿真菜の前世は過酷な戦場を渡り歩く傭兵だった。その記憶の多くは血に塗れ、人の死や痛みに小さい頃から苦しめられることとなる。
しかしある時、両親が持っていた漫画を読んだ阿真菜は、その名作に没入してつかの間辛い記憶を忘れた。
さらに中世ファンタジーな前世の記憶を、フィクションのように捉えて自身と切り離すことで心を守った。
9歳になった阿真菜は記憶を思い出すことも少なくなり、多くの創作物を楽しみながら平穏な生活を送っていた。
そしてある日、漫画を買った阿真菜は、家に着くまで我慢できず公園で漫画を読もうとした。
そこで出会ったのは――前世も含めて見たことのない怪物と、それに対峙する短刀を構えた女子高生。
まるで漫画のようなシチュエーションに興奮し、阿真菜はついそれを覗き込んでしまう。
その行為によって阿真菜は自ら平穏な人生を壊し、怪物のみならず裏社会に潜む闇、異常能力者と呼ばれる人外たちと関わることになってしまう。
——だがその先で、己の前世と向き合い、克服する道を見つけることになるのだった。
ついでに漫画に出てくるような陰陽師やら刀使いやらハッカーやらと出会ってずっと興奮していたりもする。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年06月15日
HJ大賞6 ネトコン13 集英社小説大賞6 123大賞6 女主人公 幼女 現代転生 元傭兵 女子高生 陰陽師 異常能力者
読了時間:約226分(112,808文字)