ある雨の夜、小さな村の教会の前で弱りきった少女が倒れていた。少女の名はイーヴェ。悪魔祓いを副業とする神父のアイトは、彼女が天涯孤独の身であることを知り、彼女が成人するまでの間、教会で引き取って育てることにした。二人は小さな教会で、親子のような関係を育んだ。
――いつからすれ違ってしまったのだろう。かりそめの、小さく満ち足りた幸せに迫る、血と、死の気配。掴んだのは、身に余る大罪。
悪魔に身を落としてもなお、止まらない。この想いはきっと、魂の朽ちるその時まで。
この小説はカクヨム様にも掲載しております。