『妖滅師(あやかしめっし)』
通称、『ようめつし』と呼ばれる人々が居た。
それは、『妖(あやかし)』を退治する為だけに組織された人々の事。
ある時、突如現れた謎の異形の化物……『妖』。
抵抗する術を持たぬ人類を、蹂躙し尽くしたバケモノ。
そのバケモノには、あらゆる銃弾もミサイルも……核でさえも無意味だった。
只管逃げ延び、辛うじて生き残りの人々が落ち着いた時、
既に世界の人口は八割以上も減っていた。
いつ『妖』に見付かり、殺されるかという日々に怯えながら暮らす毎日。
だが、そんな日もそう長くは掛からなかった。
名実共に世界一の企業として名を馳せている会社、
その名を『神祇守館(じんぎすかん)』といった。
この会社が設立した組織、対『妖』殲滅部隊『高天原(たかまがはら)』。
その構成メンバーの凡そ九割を占める者……それを、『妖滅師』と云った。
これは、そんな『妖滅師』となった少年の、数奇な運命の物語である。