魔道工学の祖、マギア師の功績により、高い魔力を持つ貴族だけが魔術を使い、精霊や神々が身近にあった時代は終わり、世界は文明開化《ブレイクドーン》の産声を上げた。
魔動人形《ゴーレム》技術の体系化と簡略化に成功して千と四百年。
魔道工学が発達し、荒れ果てた荒野しかないこの地に多くの都市国家が発展した。
犯罪者や奴隷によって魔力タービンを回し、国中に魔力を送り、一般の市民でさえ魔道具の恩恵にあずかれるようになった。
街道の警備、荒野での農作物の栽培と、人々は自らの力によって厳しいはずの自然環境でさえ克服しようとしている。
そして物語は、とある国の下町から始まる。
捨てられ、流され、“鉄くず《ラスティ》”と呼ばれた一人の男と、捨てられ、流され、くず鉄となった一体の自動人形《オートマタ》。
変わり者の二人組が織り成す冒険活劇。
いざ開幕と相成ります。