暗い暗い闇の中、私はいつの日からかここにいる。
いつ来たんだっけ
私はいつからここにいるんだっけ
なんで私はここにいるんだろう
私もこんなことを考えていた事があったような気がする
でもそれも今となってはどうでもいいこと
私はいつの日からかこの暗い闇を受け入れはじめていた
檻の中の少女は先の見えないこの闇をを受け入れはじめていた。
希望なんてものはとっくに捨ててしまっていた。
希望の存在すらも忘れかけていた。
無理をして疲れることよりもおとなしく檻の中で飼われることを覚えてしまった。
少女は何もない檻の中の世界のことを平和な世界と呼んだ。
幸せもないと思えば辛いことだって皆無だ。
そう、本当になにもない。
彼女は自分の姿でさえ忘れてしまっていた。
そんな少女のもとにある日一人の少年がやってきた。
外への希望を語る少年の事が少しずつ気になり始めた少女。
少女は果たして本当の自分を思い出せるのか。
喜びや悲しみを取り戻すことはできるのか。
彼女の本当の姿とは…。
「私は黒い鳥なの、だからこんな檻にいるの」
私は黒い鳥だった