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連載 3エピソード
旧世界を終末に導いた革命の残滓、幻素はあらゆる生物を変容させる死の吐息であった。 魔導術は旧世界に蔓延る恐怖と悪意を掃討した。 しかし、その対価として、己が住む星の大地に、広大な海原に、透き通る青空に悪夢の息吹きが満ち溢れた。 生物は種を蝕む毒に対抗する間もなく、適応という形で徐々にその姿を変えていき、まるでそれが自然であるかのように根付いていく。翼の生えた馬、街を囲む大蛇、二頭の狼、旧世界の神話に似た何かは突如出没し始め、元の種族と成り代わるように現れ、爆発的な繁殖を起こした。 人と自然の均衡は崩れ去り、文明は再び自然に犯される。人々は武器を手に取った。革命の灯であり、衣食住の基盤となりつつあった魔導術を活用することで、霊長としての地位を確立する。 その大義の名の元に、魔導術による新たな文化は創始者であるリュンネの制約《グリムレッジ》を物ともせず、急速に成長していった。 導歴三○九年、人と自然は歪んだ共存をしている。
作品情報
アクション[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2018年10月08日
身分差 オリジナル戦記 幼女 魔導 偏屈 読了時間:約10分(4,873文字)