作品一覧全3件
連載 完結済 37エピソード
 魔法も、精霊も、魔物も、特殊能力も、当然のように存在するアウターワールド。そこは魔物国家ヘイヴンによって支配され、人間達には生きづらい世界となっていた。  ヘイヴンを治める魔王・ルータンにはたった一人、人間の男が仕えている。彼の名はエフト、またの名を勇者殺しだ。  ルータンの命を狙うべく、異世界より転生する勇者を単独で倒し続けた彼は、いつしかアウターワールド最強の男となっていた。  それが世間に知れ渡ろうものなら、ルータンによって確固たる支配力を得ていたヘイヴンが揺らぐ可能性もある。ましてや彼女はプライドが高いため、人知れずエフトは己のレベルを隠し続けた。  しかしエフトの気持ちを知らないルータンは、彼の後任にウェアウルフのセレイネを推薦する。エフトが人間である以上、魔物よりも短命で勇者殺しの任を長く続けられないと考えたからだ。  無論エフトはそれを極端に拒んだ。もはや勇者のレベルは、エフトに呼応するが如く上昇している。加えてアウターワールドでは発現しない、強力なスキルを持つ者まで多くいる現状。勇者は自分以外に倒せないことを悟っていたのだ。  故にエフトは、ルータンの提案を聞き入れず勇者の討伐を淡々と続けた。セレイネがヘイヴン城で待機する日々は流れるように過ぎていった。  そんなエフトが恋人の命日で、ヘイヴンを離れたある日のこと。一人の勇者が異世界より転生した。ルータンはこれを好機と捉え、エフトには一報も入れず、セレイネ率いる暗黒騎士団に勇者討伐を命ずる。  その勇者のスキルには、恐るべき秘密が隠されているとも知らずにーー。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15
最終更新日:2022年06月03日
オリジナル戦記 勇者殺し 魔王 読了時間:約249分(124,158文字)
連載 完結済 41エピソード
ある日、突如としてハヤスギと言う謎の木が、世界各地に姿を現した。 その木には三日程で成木になると言う特徴以外にも、人間をカレントと呼ばれる、圧倒的な力を持った超人へと進化させる性質があった。 そんな木の出現から半年が経ったある日。いじめが発覚して校内にその名を轟かせていた小学生、笛口智也がカレントによって殺害された。智也の兄で中学生の笛口敦は後に、その真実を小学生時代の恩師である藪林から聞かされる。 いじめをしていたとは言え、智也は敦にとってたった一人の弟だった。敦は彼の仇を討つことを決意する。 しかし一人の人間が、強大な力を持つカレントに敵うはずもない。故に敦は、藪林に何かカレントに対抗する手段はないのかと訊ねる。 すると彼は考えた末に、カレントになれる薬があると口にした。しかしその薬には、服用した者に死を招く危険性があると言う。 それでも尚力を望む敦に、藪林はとある提案を持ちかける。それは薬の副作用を最小限に抑えるため、元駅伝優勝者でありカレントでもある智也の同級生、立岩久瑠と共に、ランニングによる体力作りをすることだった。 一方その頃、所轄刑事である近藤拓海は、笛口智也殺人事件の犯人にある程度の目星をつけていた。 その者の名は船越光莉。過去に笛口智也からいじめを受けていた、彼と同じ五年二組の少女であった。 ※他の小説投稿サイトでも投稿しています。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2019年10月13日
シリアス 神様 超能力 仇討ち 復讐 読了時間:約488分(243,946文字)
連載 完結済 47エピソード
物語の主人公は、持ち主であるお婆ちゃんが大好きな、意思を持つ市松人形。例え直接の会話が出来なくとも、お婆ちゃんが話し掛けてくれるだけで彼女は幸せだった。 しかしそんな幸せな日々も、そう長くは続かなかった。お婆ちゃんは患っていた病により、外出先で帰らぬ人となってしまったのだ。それを知らぬまま市松人形は、三日間も彼女の帰りを待ち続けることとなる。 主人不在となった家へ最初に訪れたのは、お婆ちゃんの子供達ーー年齢で言えば四十代後半程ーーだった。 彼らは遺品整理と言う建前で金目の物を持ち出し、更にはお婆ちゃんの大切にしていた物を構わず捨てていった。無論市松人形も、その例外ではなかった。 ゴミステーションに捨てられた市松人形は、全てを諦めかけていた。だが偶然通りかかった轆轤首と言う妖怪によって、彼女は家へと持ち帰られる。 新しい居場所が見つかったことで安堵する市松人形だったが、轆轤首に体を触れられた途端、ある大きな異変が起きた。なんと市松人形は話せるようになっており、更には自身の体をも動かせるようになったのだ。 事の成り行きから、市松人形はツクモノと言う名を与えられる。しかし体が動くようになった事から、市松人形は自分と言う存在がわからなくなってしまった。 市松人形ーーもといツクモノは果たして、無事自分の正体を知る事が出来るのか。 これは生まれてくる時代を間違えてしまったとある妖怪の、苦悩と葛藤を描く物語である。 ※この物語はフィクションです。実在する人物や団体とは関係ありません。 ※この作品は他の小説投稿サイトでも投稿しています。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2018年11月04日
人形 妖怪 一人称視点 妖狐 轆轤首 付喪神 あやかし 現代 読了時間:約287分(143,477文字)