古城の地下牢に投獄されている四人の騎士たちと、監視する役目を負う少女。騎士たちは少女に「望みは何か」と問い、少女は騎士たちに「お前が傍にいることだ」と答える。それが彼らの日常。 　ある日、少女の前へ一人の王子が現れる。ひと目で少女に心を奪われた美貌の王子は禁を犯し、監視者たる少女へ接近し始める。 　だが、国が存在自体を隠し続ける"監視者"と呼ばれる少女には、嗜虐の嗜好を悦とする禁忌の呪術が組み込まれていた。それを知った王子の決断は――

すべての女子は巫女に、男子は巫覡（ふげき）になることを誉れとする一族に生を受けた少女・沙穂は、良き血筋に生まれながらも霊力を顕すことができないでいる落ちこぼれ巫女。日々、巫女修行をサボり、幼い頃に結婚を約束した少年・桜空（さくら）が迎えに来てくれることを夢見ていた。 ある日、沙穂は一族を守る騎馬隊に追われる結界外の少女・未遠（みおん）と出会う。桜空という少年に会いに来たという未遠の内面に触れた沙穂は、未遠の真の狙いが桜空への復讐であることを知り…… 艶やかなる巫覡と一族を守護する騎馬隊の長（おさ）・騎馬司（きばつかさ）。二人の男性に翻弄される沙穂の初恋の結末は――

貧民街育ちのルキアは、皇女にそっくりだという噂が立ち、皇女の影武者としてスカウトされ、王宮へ向かう。 王宮で待ち構えていたのは、権力と美貌を兼ね備えながらも最悪な性格の皇女ノワールと、そんな皇女を上回るほどに毒舌でありながら誰をも魅了する不思議な皇子エルアンに翻弄される日々。 やがてルキアの中に芽生える「もし自分が本物の皇女だったら…」という気持ち。 その思いを見抜くようにエルアン皇子の口から発せられる「お前がこの国を継げ」という言葉。 ルキアが下す決断とエルアン皇子の真意とは――