作品一覧全3件
短編
恒星間移民船の搭乗員として旅をしている途中に、救命ポットに乗って脱出せざるを得なくなった僕。しかも憧れの美女と一人用の人工冬眠用のポットに二人で乗るという運命となってしまった。母船はどうも爆発したらしい。 いつ救出されるかわからない状況のもと、彼女と二人きりで過ごす日々が始まった。しかも、それは想像を超えて長い期間となった。僕たちは、このポットの中で時間を過ごすために、「ごっこ遊び」をして空想の世界に遊んだが、続けて起きていられるのは生命維持装置の限界によって一人だけであることがわかった。僕たちは交代で人工冬眠に着くこととした。お互いに命を預け合う仲となるについて、彼女の提案によって僕たちは結婚することとした。彼女は言うのだ。結婚にはいろいろな原因がある。しかし、僕たちの結婚は、運命に導かれての結婚なのだと。夫婦となって、交互に冬眠をしながら、いつ助け出されるのかわからない旅を続ける。2年に一回、約2週間の交代期間は、僕たちにとって二人で過ごす貴重な時間となった。その時は、フェスティバルを迎えるような喜びの時となった。長年の後、僕たちは、もし死ぬならば共に死のうと決心した。
作品情報
宇宙[SF]
最終更新日:2019年01月16日
近未来 夫婦 救命ポット 未来 結婚 人工冬眠 旅 宇宙旅行 読了時間:約59分(29,464文字)
連載 完結済 24エピソード
世界は静かに、誰も気がつかぬうちに、異変に巻き込まれた。それはどうやら僕が発信源となっているようだ。といっても、僕も知らぬうちに巻き込まれている一人に違いなかったのだけれど。  僕は駆け出しの指揮者だ。別に有名でもないし、期待の新人というわけでもなかったのだが。偶然に古くからある町の、古くからあるオーケストラの臨時指揮者に依頼されただけなのだが。ジタバタするうちに、僕のまわりが、そして世界が変わっていったのだ。
作品情報
純文学[文芸]
最終更新日:2017年07月08日
近未来 エイリアン 帰郷 クラシック音楽 指揮者(マエストロ) オーケストラ 感動 乱数 歴史 人類 意識 通信 読了時間:約244分(121,933文字)
短編
時代、場所は不明。小さな国の領主の娘、珠姫は、偶然に招かれた笛の名手のに心ゆすぶられて病の床に臥すこととなった。原因となった笛吹き(誉世)は、父の懇願により都から呼び返されることとなった。笛の音に癒されて、珠姫は回復してゆく。珠姫の心は、笛の音にばかりではなく、もともと初恋であったのだが、ますます彼に引き寄せられていく。恋や愛という感情をまだ理解できないまま、笛を聞くだけであったのが、琴を合奏することへと進み、更なる関係を望むようにすらなる。しかし誉世は、彼女の思いを知りつつその場を去ってしまう。その場に残された誉世の袖と笛、何があったのか語らぬ二人。領主は誉世を処刑してしまう。こうして誉世は彼女のものとなった。処刑場で遺体と対面した彼女は、それが自らの罪によるものであったことを知ることとなった。
作品情報
純文学[文芸]
最終更新日:2016年10月22日
身分差 悲恋 古典恋愛 罪 自己犠牲 音楽 贖い 読了時間:約89分(44,256文字)