少女の視界は彼の視界で、彼の聴覚は彼女の聴覚。 欠陥している二人の感覚は、ある日繋がって補いあう。 お互いがお互いの為に生きる。 そんな荒唐無稽な約束が果たされるまでのお話。 ネタ提供をいただいて書きました。 自分で書いてみたいであろうこんなネタをぱっと渡してくれて感謝の極みでございます。

人類が肉体を克服して電脳上に精神を移譲した未来。 主人公オルトは大人気ゲームタイトル『アースウォーリア』の招致に応えて作戦に参加し、イレギュラーなモンスターに遭遇する。 これは完全なる知能生命体へ至ったヒトが、触れ合うことから『価値』を探求するお話。

死者が蘇り、亡霊として生活を装う世界のお話。 少女クライはハンデッドマンとして、死者を死へ導く仕事をしている。 ある日組合から労働者の亡霊を死へ導く依頼を請け、少年ラフとともに廃工場の男の亡霊を訪ねる。 これは神様の憐憫に触れた死んでも死ねなかった亡霊を結末へ導く少女が、一つの悪夢から覚めるまでのお話。

丘におちたながれぼしをひろいにでかけた、たびびとのおはなし。 冬の童話企画参加作品です。

『自壊衝動精神疾患』と呼ばれる病気が緩やかに社会を蝕む世界のお話。 患者はこれといった理由もなく自死を企み、政府はそれを留めるために彼らを死から守る分厚いスーツで覆い隠し、社会福祉に従事させた。 これは少年が終末の決定的な起点を生きた記憶。 生きることを選んだ、その理由に辿り着くまでのお話。

　音を聞くことが出来ないけれど、音を色として見ることが出来る共感覚を持つ少女のお話。 　高校生活に馴れてきたころ、綺麗な色に誘われた主人公はつり目の男子生徒と出会い、音を重ねる日々を過ごすことになる。 　『耳で聴きたい物語』に興味が湧いて書きました。 　言葉を口にしたくなるお話になっていたらうれしいです。

地上から溢れた人類は海中に小さな地球を作った。 いき場所をなくした人たちは他人に鈍感になり、ルーティンに没頭している。 これは人工海中都市『ブルースフィア』エリア２７の顛末の記憶。 もはやだれにも触れられない海中へ沈んだ少年のお話。

なんちゃってホラーです。 気晴らしに企画に参加しようと思って書きました。 駅で起こると噂される怪談についての話です。 心霊現象がなくちゃホラーじゃないと、言うわけじゃないと信じています。 怪談という単語が入っていればホラーで良いんじゃ無いかと自分に言い聞かせました。

雨が降っていた日。 濡れた少女は配達員に出会う。 配送ギルドソレイユ。 その羽根に乗せればどこへだって届く。 大国の戦争。 魔獣と神種と人の歩く世界。 これはソレイユの配達員であるフォグが、一人で濡れていた少女コルヴォを暖かい場所へつれてく旅路の物語。

英雄を夢見る少年セオルのお話。 英雄に憧れた少年『セオル』の現実は盗賊達の奴隷だった。 卑屈に生きながら、もう一度夢を望んだとき、少年が出会ったのは異世界からやって来た大英雄の『トオミチ　キセキ』その人だった。 これはキセキに導かれて、成長するセオルが自分の英雄の叙事詩を始めるまでの物語。