ある日部活動のため学校に向かっていた主人公の立花雷斗。その途中昼食を忘れたことに気付き、どうするか考えていたちょうどそのとき、弁当を届けにきた妹の立花このはに呼び止められる。いつも通りのやり取りをしつつこのはと一緒に学校に向かっていたが、唐突に誰かの悲鳴が雷斗の耳に入った。その声のことがなぜか気になった雷斗は気がつくとその声の聞こえた方向に向かい始めていた。このははあきれながらも雷斗のあとを追いかけた。声の発信源とおぼしきところに限りなく近い角を曲がったとき、その先には黒い靄が広がっていた。二人は勢い余ってその黒い靄の中に突っ込んでしまう。気がつくと二人は見たこともない場所にいた。
二人とも状況が飲み込みきれず少しパニックになってしまったが、なんとか気持ちを取り直したところで雷斗の耳にさっきの声の主の悲鳴が聞こえた。雷斗はまたその声の方向に走り出した。なんとか声のした場所へとたどり着いた雷斗はさっきからの声の主である少女を見つけた。少女を見た瞬間雷斗はその少女に見とれていたが、その少女がたくさんの人に囲まれていることに気がついた。何となく状況を飲み込んだ雷斗は少女のもとへと向かい、囲んでいた人々を追い払った。助けた少女エリーに感謝の気持ちとして自宅へと招待されるが、話を聞いているうちにエリーは雷斗たちの迷い込んだ国の王女だということが分かった。その道中やエリーの自宅である王城に着いたあとなどに、雷斗は自分たちが異世界に来てしまっていることと自分にまつわる今まで知らなかった事実を知ることになった。
元の世界への帰り方が分からない現状で、雷斗とこのははこの先どうするかを決めなければならない。いろいろな情報に悩み考えぬいた結果、雷斗は自分の心に従い、今一番大切で一目惚れした相手であるエリーを守るために騎士を目指すことを決める。自らの目指すものへの歩みを始めた。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2017年01月10日
男主人公 騎士 西洋 中世 王女
読了時間:約82分(40,657文字)