幼い頃に両親に捨てられた天子は自分自身の存在の意味が未だに分からずにいた。
器量が良く仕事が出来たならきっと色んな人間に必要とされるだろう……だが自分は違う。
見目麗しく華がある女であれば自分を好いてくれる人も多いだろう……残念ながら素朴な顔立ちをしているので恋愛にあまり縁がない。
それでも生きなければならないと思った天子はとある村で残りの余生を過ごそうと考え始めた。
その村とは、神と人間の境界が曖昧で、それ故に古くからの結び付きがまだ残っているという。
ーー頑張らなきゃ、この世に味方は私と神様しかいないのだからーー
その村までの道中に出会った目的地を同じくする男に心を乱されながらも村を目指していくお話。
天子は人生の意味を見つける事が出来るのか、是非見守ってあげて下さいませ。
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