幼い頃に家族と生き別れ、一人他国へ亡命した少女コチョウ。養母やその娘たちにつらく当たられる毎日だったが、彼女は昔出会ったある男の子の存在を心の支えにして日々を生きていた。
ある日王宮に呼び出され予期せぬ形でその男の子と再会したコチョウは、やがて自分が幸運の女神と呼ばれる存在であることを知る。
古来から国の命運をも左右するほどの力を持つされ、多くの権力者たちに狙われてきた存在。コチョウは国の庇護という名の下自由のない生活を強いられるが、ある日突然何者かに誘拐されてしまい――。
守りたい人がいる、幸せになってほしい人がいる。
惜しみなくたくさんの幸せを与えてくれたその人はしかし、己の幸福にはいつだって無頓着で。
人々はいつの時代も、そんな彼らのことを親愛を込めてこう呼んだ――しあわせの人、と。
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