ここは彩り豊かな不思議と幻想が溢れる大地。とある町で煙突掃除をしていた燃え滓ことネゼムは、いつの日か町を出て、この世界の何処かにあるという未踏の地、『果ての果て』へ行くことを夢見ていた。しかしある日、その身に宿る謎の力『彩能』のせいでおぞましい魔物をおびき寄せてしまい、町を追い出されてしまう。
放り出された危険地帯『黒の森』でも、何体もの魔物に襲われ、逃げ惑う嵌めに。ようやく行き着いた森奥の廃墟で、ネゼムは封印されていた本の姿の銀髪碧眼美少女――世界写本リブカイーブに出会う。
ここでもネゼムは自分の力のせいで、リブカにかけられていた封印の対象を自分自身へと中途半端に書き換えてしまい、結果、二人仲良く鎖に繋がれてしまう。
鎖で封印された挙げ句、出会った少女は傍若無人で、毒舌で怠け者。
「私がこんな目に遭ったのも、お前のようなアホの人族のせいなのです! 責任を取って、私から奪ったページを全部返してもらうですよ。そして、私という霊書の完成のために、この私を「果ての果て」へ連れて行くです!」
とんでもない言いがかりに憤慨するネゼム。しかし、身体に巻付いた鎖を解くには、リブカのページを集めその力を取り戻させるしかない。「果ての果て」に行くという目的の一致もあり、ネゼムはリブカの願いに協力することに。
そして始まった失われたページを集める旅。そして、「果ての果て」へといたる旅。
そこに立ちはだかるのは、ネゼムの力でおびき寄せられる魔物や貴重な書物であるリブカを狙う人間たち。
反対に、ネゼムたちに手を貸してくれる存在も現れて……。片腕だけの龍や、全然似ていない妖精四姉妹、人間大の昆虫トリオ……どうしてこんなにおかしな奴らばかりなんだろう?
これは、あべこべな二人が世界各地を巡りながら、色んな人だったり人じゃない存在に出会い、仲間になったり、戦ったりしながら、なんやかんやしていくお話です。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2020年07月19日
異能力バトル シリアス コメディ 本 旅
読了時間:約231分(115,255文字)