かつて、不可能を可能にすると言われた男が居た。
周りは彼を天才と呼び称えたが、本人は自分は何度もトライ&エラーを繰り返し続けるただ努力家だと考えていた。
幾つもの不可能と言われていたことをを実現して有名となった男は、周りから逃げるように突然何処かへ姿を消す。
姿を消した男は、何処か辺境にある洞窟に研究所を構えると俗世などに興味を示さずに自分の研究だけに没頭していった。
研究中に男が生まれた国が魔族に滅ぼされる、世界的大災害などで起こったが、男はそれすら全く気にせず研究を続けていく。
そんな大混乱によって男の足取りは完全に消え去り、いつしか人々の記憶からも消えていった。
それから500年。
あらゆる手段で寿命を伸ばし続けていた男の命は、ついに限界が来て風前の灯となっていた。
まだ残る不可能を可能とする為に、男はある決意をした。
古い体を捨てて新しい体へと移り、また生きるのだ。
そんな男の新しい体というのが……どこからどう見ても女の子であった。