『知恵だけじゃどうにも解明できない力がある。それがイヤで仕方ないんだよ』
これはある特異な“力”を研究している学者の発した言葉。
この世界には、二種類の人類がいた。
「スイ、おしょーゆ取って」
「うーい」
――一人がテーブルの端に視線をやると、醤油差し宙は浮きもう一人の前に運ばれてゆく。
それは、“異能”と呼ばれる力を持っているかどうか。
異能力を持つ者に、人種も、国籍も、性別も関係ない。ただ、持っているか否か。
「ユーキ、さっきからなに見てんの?」
「んー……あそこ、人魂が飛んでるなーって」
――一人は空を指差し、もう一人はいくら目を凝らしても何も見えない。
異能と一括りに呼ばれながらも、そこには種類があった。
超能力を持つ少女――泉 睡蓮。
霊能力を持つ少女――神代 有希。
二つの異能。
二人の異能力者。
同じ家に住み、普通とは少しだけ違う日常を過ごす二人。
……そして、もう一人。
騒がしく過ぎてゆく日々のなか、人に害なす悪霊――霊鬼に追われ、二人の前に現れた少年。
この三人目の異能力者との出会いにより、物語は始まる。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2018年01月25日
伝奇 怪談 異能力バトル 和風 現代 超能力 霊能力
読了時間:約147分(73,135文字)