主人公である悠也は、この春高校生になったばかりの十五歳である。彼は自己肯定感が薄いことがコンプレックスであり、周りに対しての妬み、嫉みなどを抱え、そんな感情を持っている自分を嫌っていた。さらに、彼はクラス内でのいじめにあっており、それもあって人生に生きる活路を見出せないでいた。『死にたい』そう思うことが彼の日課であった。そんな中、彼は一人の男子生徒に出会う。弘人である。弘人は俗に言う文武両道な人物で、周囲の尊敬を集める人物であった。悠也はそんな弘人に尊敬の念を抱き、又、嫉妬した。そんな悠希に、弘人は友人だと言ってくれた。禍々しい感情を抱えている自分を、だ。そして、彼の所属している演劇部に、悠也は入部した。演劇部の部員たちは皆一癖も二癖もある人物ばかりで、皆一様に自分の過去に、そして、自分自身に傷を持っていた。そんな演劇部での生活を送る中で悠希は自分の人生に、自分自身に生きる希望を見出そうとする。
日常 青春 男主人公 平成 近代 現代
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