この世界では、成人を迎えると皆等しくスキルを世界から授けられる。王族の召使いである彼、アランもついこの間成人を迎え、スキルを授かった。そのスキルの名は《ランクアップ》。見たことも聞いた事もないスキル名にアランは首を傾げた。その時、彼は気付かなかったが、そのスキルは誰もが予想だにしないものだった。
この世界では生まれつきメインジョブ、つまり職業が決まっており、このメインジョブは一生変わることはない。つまり王族はどうやっても王族だし、村人はどうあがいても村人だ。これは揺るぐ筈もない世界の常識…なのだが、彼の《ランクアップ》がその常識をぶち壊す。
『条件を満たすことによりメインジョブが上位のものに変更』
どうせ自分は召使いだし詳細を見ても意味が無いだろう、そう考えスキルの詳細を見ずに放置した。そしてその次の日、異世界から魔王を倒すために32名の勇者が召喚される。そしてアランは召喚された勇者の一人である少女、キシダ・キョウコの世話を任された。そのスキルの目覚め、そして異世界少女との出会いがただの召使いであるアランを変える!
───これは、召使いアランの成り上がり物語である。