病院のベッドの上で目を覚ました少女は、自らが何者なのかわからなかった。周囲の反応から、自分の名前は弓削(ゆげ)絆(きずな)と言う高校三年生になったばかりの少女で、轢き逃げに遭って記憶を失っている事を知る。しかし少女には、弓削絆として過ごした時間の記憶が無い。
知らない誰かに愛して貰っても、対象が自分では無いと感じてしまっていた。それでも少女は、自分が受享受している優しさの温かみに気付く。やがて彼女は、本来この愛情を受け取るに相応しい少女、自分では無い弓削絆を元の居場所に戻す為に、何も知らない外の世界へと飛び出した。
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