あるJリーグチームを応援している私の話
しかしそれは推しチームへの熱き愛や想いでも、楽しい観戦の仕方の指南でもなく、私の応援している隣の席について内容。
神奈川にあるとあるサッカーチームを応援している私のお気に入りのシーズンチケットの観戦席。
そこはゴールも近く、雨にもほとんど濡れず、何より周囲の観戦仲間たちと築いた“平和で楽しい応援空間”がある。
ただひとつ、気になるのは――ずっと空いたままの隣の席。
1年以上人の気配がなかったその場所に、ある日ついに男性が現れる。
これがチケットの主(ぬし)か? それとも…?
声をかけるかどうかのドキドキ、ひとつの席をめぐる静かなドラマ、
そして“誰かが来る”ことでちょっとだけ変わっていく観戦風景。
ピッチだけじゃない、スタンドにも小さな物語がある。
これは、サッカーを観る日常の中でふと生まれた、とある空席の記録。