14年前、
その年の日本における未成年自殺者のうち、9割がいじめによるものと発表された。
政府によって様々な対策案が思考され、最終的にこの日本という国がとった政策は、「いじめ防止対策推進法の改正」通称『腕輪改正』だった。
いじめが児童、生徒から告発された場合、第三者であるいじめ防止対策委員会から裁判長となる人間が派遣され、学級裁判が行われる。
そこで疑いがあると認められた場合、仮処分として被疑者に腕輪の着用が義務付けられる。
その腕輪にはGPS、マイクがついていて、学校生活の中での音声がすべて録音される。
仮処分中にその容疑が認められた場合、本処分となり、365日24時間の腕輪による監視が行われる。
その腕輪期間の終了条件は明かされておらず、卒業後も外れることはない。
14年後、腕輪改正により、いじめは格段に減っていたのだが――。
ミステリー 近未来 学級裁判 学校
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