物語の舞台は中世のドイツ。
登場人物は、明日に結婚式を控えていたドイツ人の騎士ルドルフとその恋人ベルタのカップル。
その二人がドナウ川の岸辺を歩いていると、ベルタは青い可愛い花が咲いているのを見つけて言いました。
「可愛い花ね。でもあの花もいつかは枯れてしまうように、私もいつかは年老いてしまうのよ。そうしたら私のことはもう嫌いになるかしら?」
するとルドルフはこう答えました。
「馬鹿なことを言わないで。僕の愛は永遠なんだから。あの花を君にプレゼントしてそれを証明してみせるよ。」
そう言うと、ベルタが止めるのも聞かずにルドルフは花を摘もうと激しい川の流れに手を伸ばしました。
愛の証であるその花を、ルドルフはなんとしてもベルタのために摘んでやりたかったのです。
しかし、花に手が届いたものの、ルドルフは急流に体を飲まれてしまいました。
激しい川の流れに流されるルドルフ。
もう助からないと思ったルドルフは「僕を忘れないで」と叫び、摘み取ったその花を岸辺にいるベルタに投げて川の中へと消えていったのです。
その後、愛しい恋人ルドルフを失ったベルタはその花を身につけ、生涯純潔を守り、恋人を思い続けたそうです。