王都で小説を書いている四季天乃。日本から転生してきて2年になり暮らしにも慣れてきた。現在もその小説の執筆中である。
「ふぅ〜……そろそろ休憩にするか〜」
大きく背伸びをし、キッチンへ向かう。紅茶を淹れているとき、ふと思い立つ。
「ラーメン食いてぇ。」
(………ついに来てしまった。前世の物が欲しくなったり食べたくなる…前世欲!!!!)※そんな言葉はありません。
この言葉を発してから天乃紅茶が冷めることなんか気にせずキッチンの端から端までをずっとぐるぐるしている。
「う〜わぁ…まさか今来るとは……この世界に日本食ないんだよなぁ〜いやまぁ当たり前なんだけどさぁ…」
無意識のままキッチンを出てリビングに来ているとも知らずあたりを右往左往していると自分の作業机に着いていた。
「…………よし!次の小説はグルメ系にしよう!なんか最近流行ってるし〜」
天乃はそう言っているが……記憶力が皆無なため、
「あ、紅茶淹れてたんだった。」
翌日にはさっきのことも忘れ悪役令嬢モノが書きたいと言っているだろう…