私の生まれは大阪で、楽しかった大学生活を大事に大事に胸に抱きしめながら、今日も生活をしております。
そもそも、あの頃の私は、抱えきれないほどの夢やら希望を持てあましておりました。しかし、当の本人はそれらがどれほど愛おしい物かを自覚してはおりませんでした。毎日が必死だったのです。
そんなことに気づいたのは、大学を卒業して数年が経って、こうして抱えきれないほど持ち合わせていた夢やら希望を、ほとんど何処かへ忘れてきた時分でありました。時すでに遅しとはまさしくこのことであります。
しかしながら、こんな私にも少ないながら残された夢が、ポケットの奥にシワクチャになって残っておりました。まるでクリーニングに出していた服から出てくる千円札のような有り様になっても、今もかろうじて私を満たしてくれている夢が、小説を書くことなのです。
私は、青春を謳歌する主人公たちを通して、あの頃は私も持っていたであろう、夢やら希望やら、そして熱い何かを懐かしむように読める本を書きたいと思っております。
なにとぞよろしくお願いいたします。