実は私『マザコン』なんですよ。僕は母が大好きで、というよりかは敬愛してのほうが正しいかもしれないくらいに尊敬に値する人物でして、某大学の才色兼備No.1・2を争っていたと自称するほどの薄識…もとい博識っぷりで結構真面目な話、ためになるお母さんでしたね。おばあちゃんの知恵袋ならぬお母さんの何か魅力的な袋です。小学生の頃トイ○ラスに遊びにいったときの事、ベイブレー○なるものが流行りだして、ふと、その流行に興じようかとしたはよいのですが、なんとまぁ偏屈ながきんちょだったのでしょう、『こんなものすぐに使わなくなってしまう』的な台詞を吐いたように覚えています。その時の母は『今楽しめることは今楽しんでおけ。いつか後悔してからじゃ遅いから』みたいなことを言ってくれて、ベイ○レードを買ってくれたんです。嬉しかったですね。それから何度となく母にお世話になり、拝謁賜り拝聴賜り、その結果が『マザコン』と言われてしまっても、まぁおかしくはないんですけどね。どっちかというと『付き人』みたいな感じで、事あらばその技術を盗むぞくらいの勢いで彼女の頭脳を手に入れようとしていたのかと、少し思い返してみるところです。
ここだけの話ですが、実は『ファザコン』の気もあったりするのですよね。我が父はダンディズムなる父親でして、どうやら野生の中で生活していたためか(実家が山奥)生存本能的な何かが開花してしまっているらしく、野性的かつ建設的な脳をしていたりするのです。どれくらいかと言いますと、推理ドラマなんかを見ていると、探偵が突き止める前に先に犯人を見つけちゃうくらいの洞察力の持ち主なのです。いやあ、よく競ったものです。…惨敗でしたが。しかもそのくせ筋肉隆々で、僕を腕につるして高い高いができるくらいです。昔は握力が80近くあったという話で、いやいやまったく末恐ろしい。それだけではなくハードボイルドな一面もありまして、ふと『スイミングしたいなぁ…』とぼそっと呟いたんですよ、何の気なしに。すると翌日スイミングスクールバスがうちの前に止まっていまして、父は『行きな』って顔して、僕に水泳道具が入ったあの丸いバッグ的なものを投げつけてくれましてね。粋な計らいでした。あれは、人生の感動ベストテンに入るものでした。ただ父にも難点がございまして、成分的なものに弱いんですよ。弱いって言うのは弱点ってな話じゃなくて、目がないってことなんです。例えばイオンの出る石を風呂場に入れてみたり、イオンの出る石をペットボトルに入れてみたり、イオンの出る石をブレスレットにしてみたり、イオンの出る石をネックチェーンにしてみたり、イオンの出る石を夕食に混入してみたり。といったところで。どうやらそいうものがあの筋肉の元らしいです。最近はもっぱら頭頂部が気になっているようで『フコイダン』なるものに手を出し始めました。僕も忠実にその影響を受け始めているので、もしかしたらその恩恵に賜る日も遠くないかもしれません。
といった感じで、僕は家族みんな好きなんですよね。そうなってくると『マザコン』で『ファザコン』で『シスコン』で『グランドマザコン』で『グランドファザコン』になってしまうんですよね。そりゃ流石に言いづらい。ならば的確に一言にするとどうなるか考えたところ『ファミリーコンプレックス』がいいんじゃねーかと思いまして。そうなると…『ファミコン』じゃねーかよ!! 確かにスペックは初期のファミコン並で叩くとたまに頭のセーブデータが飛びます。よって今日から僕は『ファミコン』です、以後お見知りおきを。