現在エッセイランキングでは 批判がゲシュタルト崩壊しそうな状況なわけですが、 あなたは今のなろうに対して、満足していますか？ テンプレがどうとか、 くだらない、つまらない作品ばかりだとか 文句をつける前に、 駄々をこねる三才児でないのなら、 本当に低いのは 作者の文章力なのか 読者の読解力なのか 問い直してみてはいかがでしょうか？

エッセイジャンルでは 分かりやすい、読みやすい作品こそが評価されやすいですが、 そういった作品では分かりやすくするために ややこしい問題やセンシティブな問題については 深くは触れていないものが多いように思います。 この作品はそこに踏み込んでいるので、 エッセイをよく読む人で、 もう一歩、踏み込んだエッセイが読みたい！　 と思っている方には一読の価値があるでしょう。

主人公は 天上天下 唯我独尊。 王道というレールの上に、 敷石を敷き詰めるレベルの ゴーイングマイウェイっぷり。 脇を固めるキャラクター達もユニークで、 個性と個性がぶつかり合い 巻き起こる化学反応は ドン引き不可避の爆笑必至。 邪道と覇道の交差路で 魔王と覇王が出会うとき、 物語のお約束は粉砕され 引き起こされた粉塵爆発は 超新星を産み落とす。 新感覚ピカレスク・ロマン、 ここに 爆誕！！！ 推奨R-20

連載中なら完結してから……。 エッセイはちょっと……。 なんて言わずに読んでみてください。 こういう質問系に多い内輪ネタはあまりなく、 文学好きなら「わかるわ～！」とか 「それな！」という話ばかり。 そのうえで「そうだったのか！！！」という 気付きもあります。 読者視点でも作者視点でも楽しめる なろう民の必読書だと思います！

最近はやりの『悪役』とは名ばかりの いい子ちゃん令嬢や、 「人の振り見て我が振り直せ」の精神も 「罪を憎んで人を憎まず」という原則もガン無視した ただの爽快感だけを求める、 自己満足としか言いようのない、 『ざまぁ』小説。 そんな小説ばかりを読んで、 なろうのレベルも下がったな、なんて思っている そこのあなた！ 古き良き、キレッキレの悪役賛歌、 おひとつ如何ですか？

2007年の作品ですが今でも読み返します。 短編だからこそ完成度の高さが際立つ作品です。 青春もの、恋愛もの、ヒューマンドラマの好きな方は ぜひ一度、読んでみてください！ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊